マクドゥーガル博士の伝説的な実験とは?

19世紀末のアメリカで、1人の医師が奇妙なアイデアを抱きました。その名はダンカン・マクドゥーガル博士。彼の問いはシンプルながらも衝撃的でした。

「人間の魂に重さはあるのか?」

魂という、形もなければ触ることもできないものに対して重さを計測するという発想は、当時も今も斬新と言えるでしょう。1907年、彼はこれを実験で確かめようとしました。

実験方法—ちょっと怖い話

マクドゥーガル博士は臨終間際の患者を特別に改造された天秤の上に横たえ、最後の瞬間を観察しました。そして…患者が息を引き取ると、天秤は平均して21グラムの減少を記録したのです。博士はこの変化を“魂が体から抜け出した瞬間”と結論づけました。

しかし、この実験には幾つかの問題点がありました。たとえば:

1. サンプルサイズがたったの6人!統計学的に信憑性は…。

2. 測定の精度や外部要因が排除されていない。

3. 動物を使った追加実験で「犬には魂がない」という結論を出した。えっ、それ本当!?

批判と反論:科学界の冷ややかな視線

この結果に対し、科学界は当然のように冷たい目を向けました。

  • 人間の体重減少は汗や呼吸による水分蒸発で説明できるのでは?

  • 実験方法が非科学的で再現性がない。

現代の科学技術を持ってしても、魂という概念が科学的に存在するかは証明されていません。しかし…物語としての面白さは健在です。

なぜ21グラムは人々を魅了するのか?

映画『21グラム』(2003年)や無数のポップカルチャーに登場するこの数字は、今もなお不思議な魅力を持っています。

  • 神秘的な響き:なんとなく“意味がありそう”な数字。

  • 普遍的なテーマ:死後の世界や魂の存在という永遠の問い。

実験の信憑性が薄いと知っていても、心のどこかで信じたいと思う…それが人間の性なのかもしれません。

結論—科学?信仰?それとも単なるジョーク?

マクドゥーガル博士の21グラムの実験は、科学的には大きな穴があるものの、哲学や文化に深い影響を与えました。彼の実験が正しかったかどうかはさておき、「魂に重さがある」というロマンティックなアイデアは、今も人々の心をつかんでいます。

とはいえ、21グラムを知るたびにスナック菓子のカロリーを思い出すのは私だけでしょうか?